職場の法律基礎

第1章 求人・採用のこと知りたい!

試用期間・本採用とはどういうことか?(P1-4)

(1)一般的な本採用への経過
 前述(P1-3(2))の内定への流れを経て、内定で定められた解約権が行使されることなく、定められた労働契約等の始期(例えば4月1日)が到来すると、内定者Aと会社との間の労働契約の効力が発生し、Aには、労働契約に従って働く義務が生じます。  しかし、多くの会社では、Aは、その始期の時からいきなり「本採用」とはされずに、更に、「試用期間」といわれる状態に置かれ、この試用期間を無事経過した後に本採用とされたり、さかのぼって上記の始期の日から本採用とされることになっています。
(2)試用期間とは
 この試用期間とは、会社がその期間中の従業員の身元調査の補充や、その期間中の勤務状態の観察により、会社の職務についての適格性を判断し、それらにより適性がないとされる場合には、本採用拒否ができるという解約権が付いた労働契約上の法的地位であるとされています(三菱樹脂事件・最大判昭 48.12.12民集27-11-1536)。
(3)試用期間の長さ・延長
 内定と異なり、試用期間については、後述(P7-1P7-2P7-3P7-4P7-5P7-6P7-7P7-8P7-9P7-10P7-11P7-12P7-13)の労働基準法による解雇に関する規制としての解雇予告や解雇予告手当の支払義務など(労基法20条)が免除される「試の使用期間中の者」(同法21条4 号)という規定があります。ただし、この試用期間中の者も、「14日を超えて引き続き使用されるに至った場合」にはこの免除はなくなります(同条本文但書)。  実際にも、試用期間が定められる会社での試用期間は、2~3ヶ月程度が多く、長くても6ヶ月の場合が多いので(不当に長い試用期間は公序良俗違犯として無効とされることがあり得ます)、この労働基準法の定める2週間の範囲内で本採用拒否の解雇をする場合は少ないようです。なお、試用期間の延長は就業規則などでその旨の規定が明確に設けられていない限り認められないと解されています。

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