職場の法律基礎

第6章 労働災害・通勤災害から従業員の健康までの対応が知りたい!

海外に派遣・出張中に労災にあったら?(P6-5)

(1)労基法の適用
 海外出張・派遣させられる従業員への労基法の適用は、国外への派遣の態様により、派遣先が独立の事業としての実態を備えない場合に限り労基法の適用を認め、派遣先がそれ自体位独立の事業とみとめられる場合に、当該事業には国内法規としての労基法は適用がありません(昭54.4.4基発410)。
(2)労災保険法の適用
[1]出張と派遣の区別
 労災保険法の適用についても、基本的には(1)の考え方によりますが、やや厳格になっていて、国内の事業場に属し国内の指揮を受けるかどうかで「海外出張」と「海外派遣」を区別し、海外出張の場合は特別の手続なしで労災保険の適用が認められますが海外派遣については、自動的には労災保険の適用がありません(昭52.3.30基発192)。
 海外出張は、商談、会議、視察、見学などの場合です(P3-6参照)。海外派遣は、海外支店などへの駐在員、提携先企業への出向などの場合です。しかし、両者の区別は実際には微妙で、具体的な諸事情に沿って判断されます。  しかし、その区分の差は大きく、海外出張の場合は、原則として赴任途上の災害も保険給付の対象になり、食事や宿泊などの際の災害も補償の対象にしています。出張期間中の災害については、特別の私的行為は除き、たいてい労災保険の給付が受けられるわけです。

[2]海外派遣の場合
 この場合企業は事前に海外派遣者特別加入制度に加入の手続を取っておかなければ労災保険給付は受けられません。従って、従業員が海外に派遣される場合は企業に対して、予めこの手続を取っておいて貰うことが必要です。なお、厚生労働省は、現地法人の社長や留学目的で派遣されるものについては、労働者ではないという理由で労災保険の適用がないとして、特別加入も認めていません。又、海外派遣については、赴任・帰国途上は保険給付の対象とされていないことに要注意です(前記基発192)。

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