メルマガ「人事労務の勘所」

2017.03.14

第41回 自己破産した従業員につき、 会社の福利厚生制度の利用を制限することは可能でしょうか?

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

※このメールは以前に、当事務所にお越しいただいた方、
名刺を交換させていただいた方、当事務所のHPより
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今回のメルマガテーマは、当事務所HP「法律Q&A」にも掲載しております。
『自己破産した社員について社内融資制度の利用を制限することは可能か』
https://www.loi.gr.jp/knowledge/businesshomu/homu04/houmu10-05-05.html

メルマガよりも、さらに詳しく解説しておりますので、是非ご一読ください。

その他にも「法律Q&A」では、ロアの担当弁護士の経験に基づき、
皆様が今後直面するかもしれないテーマについて、解説や対応策を掲載しております。

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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
自己破産した従業員につき、
会社の福利厚生制度の利用を制限することは可能でしょうか?
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【 状況 】
当社の住宅や教育資金に関する融資制度においては、
「勤続5年以上」という条件以外、特に制限を設けていないのですが、
「自己破産した従業員」については、融資制度の利用を認めない
としたいと考えています。問題はあるでしょうか。
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【 A 】
自己破産した従業員の利用を認めないとすること自体は可能です。
ただし、新たに条件を付けることが労働条件の不利益変更に該当する場合がありますので、
この場合は、労働協約の締結や、就業規則の不利益変更の規制を踏まえた
対応策を採る必要があります。
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【 解説 】
ご質問にある住宅や教育資金に関する融資制度は、
会社が独自に実施する福利厚生制度の代表的なものであり、
もともと任意的・恩恵的なものであると言えますので、
本来的には、会社側が自由に制度設計を出来ます。

したがって、自己破産した従業員の利用を制限すること自体には、
法律上の問題はありません。

もっとも、この融資制度が、就業規則や労働協約において規定化されていれば、
任意的・恩恵的な性格を持つものにとどまらず、労働契約の内容である
労働条件になっていると言えます。

この場合、労働組合との間で新たな内容の労働協約を締結することや、あるいは、
就業規則の変更をする必要があります。

今回、「勤続5年以上」という条件に、「自己破産した従業員には利用を認めない」
という条件を加えるので、労働条件の不利益変更の問題となります。

就業規則の変更をする場合、例えば、経過措置を設けることや、
制限を破産後一定期間に限定することなどで、当該変更の合理性がより
認められ易いものになると言えるでしょう。

近時、時代の変化によって、多種多様な形態を持つ福利厚生制度が現れています。
会社の経営状態と従業員の意識の変化などに応じて、
非正規雇用の従業員への適用の検討も含め、その制度設計を、
今の時代に合うような形に見直すことが必要であるといえるでしょう。
(文責:弁護士 村木 高志)

~ 次回、平成29年4月配信予告 ~
【 Q 】
従業員が突然逮捕されてしまったら?

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~ 執筆者コラム ~
先月2月24日(金)から、
いわゆるプレミアムフライデーの取り組みがスタートしました。
皆様の中に、実際に午後3時に退社をされた方はいらっしゃいますでしょうか。

あるアンケートでは、約8割の企業・団体が、
プレミアムフライデーに合わせた「働き方改革(早帰り等)」を
前向きに検討しているそうですが、他方で、企業の競争力の低下や、
かえって残業が増えるなどのデメリットを指摘する声もあがっています。

このプレミアムフライデーが定着するかについては、
今後の状況に注目していきたいと思っています。

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