メルマガ「人事労務の勘所」

2018.03.07

第53回 従業員が取引先の役職員に対して訴訟を提起したら?

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

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■ロアからのご案内■
当事務所の弁護士岩出誠が執筆した記事が、
労務事情(産労総合研究所)に掲載されました。

平成30年3月1日付発行「労務事情」NO.1357、32頁
「Q&A グループ企業の労務管理」

当事務所のインフォメーションページはこちら
https://www.loi.gr.jp/news/business-lawyers-8.html

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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
従業員が取引先の役職員に対して訴訟を提起したら?
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【 状況 】
従業員が、取引先の役員からセクハラ被害を受けたとして、
当該役員を被告として訴訟を提起しようとしています。
セクハラ被害が事実なのかどうかは定かではありません。
このような場合、訴訟提起を取り止めるよう命令することはできるでしょうか。
また、命令に従わない場合、この従業員を懲戒することは可能ですか。
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【 A 】
セクハラ被害が虚偽であることが明らかだというような場合でなければ、
訴訟提起を取り止めるよう命令することは、違法の疑いが強いです。
また、訴訟提起を強行したことを理由に懲戒処分をすべきではありません。
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【 解説 】
従業員が取引先に対して損害賠償請求訴訟を提起するという事態は、
頻繁に起きるものではありませんが、たとえば、
派遣社員が派遣先の職員からセクハラ被害を受けたと主張して、
加害者を被告として訴えを提起することは、あり得ないことではありません。
派遣元としては、派遣先との関係が悪化することを危惧するでしょう。

セクハラ以外にも、パワハラや暴行などが訴訟提起の理由になり得ますし、
場合によっては、取引先の役職員だけでなく、
取引先の会社自体も被告とされるかもしれません。

このような場合、取引先との関係の悪化が懸念されるところですが、
従業員にも裁判を受ける権利(憲法第32条)がありますので、
使用者の業務命令権や懲戒権にも制約がかかります。

訴訟提起を見合わせるよう穏便に働きかけるのであればともかく、
これを超えて訴訟提起を禁止したり、
提起した訴訟を取り下げるよう命令したりすることは、
違法の疑いが強いといわざるを得ません。
訴訟提起を理由とする懲戒処分も同様です。

当該従業員から事情を聴取したうえ、取引先にも調査を要請し、
調査結果を踏まえて話し合いでの解決を図る
というのが現実的な対応でしょう。

それでも訴訟提起がされれば、取引先に十分な説明をし、
理解を得られるよう努めるべきです。
(文責:弁護士 岩野 高明)

※今月の「人事労務の勘所」のテーマについて、もう少し詳しく知りたい!
という方は、当事務所のHP(ビジネスQ&A)をご覧ください。

ビジネスQ&Aのページはこちら
https://www.loi.gr.jp/knowledge/businesshomu/homu04/post-10.html

~ 次回、平成30年4月配信予告 ~

「在宅勤務での労働時間」

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~ 執筆者コラム ~
裁判のペーパーレス化に関する記事を読みました。
これによると、最高裁は、今後数年をかけて、
書面をネットで提出するシステムを開発するようです。

現在は、未だに紙の書面を提出するか、
ファクスで送信するかしなければならないのが裁判の実情です。

裁判所用・相手方用と同じ書面を何通も作成する手間がかかりますし、
裁判所へは大量の書類を抱えて行かなくてはならないのですが、
一方で、紙の文書が機能的であることも否定できません。

読みたい箇所や見たい資料を探すには、現在のところ、
紙媒体に勝るものはないようにも感じます。
とはいえ、新しいものを受け入れる準備をすべきなのでしょう。

以前は手書きであった訴状や準備書面は、
いまではまず目にすることはありません。

当時の法曹関係者も、苦労してキーボード入力を身につけた結果、
それまでより便利で迅速な裁判を実現してきたのです。

弁護士 岩野高明のプロフィールはこちら
https://www.loi.gr.jp/about/lawyer/iwano.html#namelawyer

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