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- 試用期間中に業績不振を理由に解雇できるか?
弁護士 岩出 誠(ロア・ユナイテッド法律事務所)
2001.08.28
そもそも試用社員とは、会社が試用期間中の従業員の身元調査の補充や、その期間中の勤務状態の観察により、会社の職務についての適格性を判断し、それらにより適性がないとされる場合には、本採用拒否ができるという解約権が付いた労働契約であるとされています(前掲三菱樹脂事件)。
しかし、その解約権の具体的内容について、裁判所は、「客観的に合理的な理由」の存在を求め、試用社員が、いわゆる内定との比較でも、既に会社内に一端入っている関係もあり、正社員に対してよりは緩かとしても(語学力などの点でAランク職員としての適格性なしとして、本採用拒否が有効とされたEC委員会事件・東京高判昭和58.12.14等)、内定の場合よりは厳しく判断する傾向にあります。 実際には本採用前の暴力的事件への関与の発覚や欠勤、遅刻等の勤務不良の程度が平均的な労働者より悪く改善の可能性が少い場合や会社の業況の悪化等の理由が必要です。
ただし、企業に入る前の内定取消しの場合においすら、いわゆる整理解雇の4要件、つまり、 (1)人員削減の経営上の必要性、(2)整理解雇回避努力義務(希望退職等)の実行、(3)合理的な整理解雇基準の設定とその公正な適用、(4)労使間での協議義務の実行(東洋酸素事件・東京高判昭和54.10.29等) 、の存在を求め、これらの要件なしとして内定取消を無効とした判例もあり(インフォミックス事件・東京地決平成9.10.31)、ここでも、正社員と比較してその要件は緩和されて適用されるとしても生半可な理由では紛争を避けられません。
(C)2001 Makoto Iwade,Japan
近代中小企業2001年6月号(中経出版)掲載