法律Q&A

分類:

株券の不発行

弁護士 船橋 茂紀
1997年4月:掲載(校正・岩野 高明2007年10月)

社は株主に対しては株券を必ず発行しなければならないのですか。

会社は株主に対して株券を必ず発行しなければならないのですか。定款に定める等により、発行しなくてよい場合がありますか。

会社は、原則として株券を発行する必要はなく、株券の発行を定款で定めた場合に限って株券を発行する必要があります。

1.株券の不発行
 旧商法においては、会社は、会社成立後又は新株払込期日後、遅滞なく株券を発行しなければならないとされていました。しかし、平成16年の商法改正において、定款により株券を発行しないこととすることが可能となっていました。
会社法は、このような株券のペーパーレス化をさらに推し進めて、会社は原則として株券を発行しないものとし、株券の発行を定款で定めた場合に限って株券を発行することとしました(会社法214条)。これは、その発行する株式に高度な流通性が必要な会社(上場会社等)については、「社債、株式等の振替に関する法律」によって株券不発行を前提とする新しい振替制度に移行することが予想されること、他方、譲渡制限会社においては株式の市場での流通性を高める必要がないことを理由とするものです。
2.株券の発行猶予
 株券の発行を定款で定めた場合は、会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、その株式に係る株券を発行しなければなりません(会社法215条1項)。しかし、例外として、株券発行会社であっても、公開会社でない会社は、株主の請求があるまで株券を発行しなくてよいとされています(会社法215条4項)。
3.株券の不所持制度
 株主は、その有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を会社に申し出ることができます(会社法217条1項)。この場合、会社は、遅滞なく、その株式にかかる株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、または記録しなければなりません(会社法217条3項)。株主名簿に記載したときは、会社は、その株式について株券を発行することができなくなり、会社に提出された既発行の株券は無効となります(会社法217条4項、5項)。なお、不所持の申出をした株主は、いつでも、株券の発行を請求することができます(会社法217条6項)。

対応策

小さな会社においては、株券を発行しない場合がほとんどだと思われます。会社法により、株券の発行を定款で定めない限り、会社は株券を発行する必要はなくなったため、株券の不発行は違法ではありません。

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