法律Q&A

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持株会社の解禁の動向

弁護士 船橋 茂紀
1997年4月:掲載(校正・小林 昌弘2001年2月)(再校正・石居 茜2008年5月)

持株会社を設立する方法を教えてください。

不採算部門の従業員の給与体系を採算部門のそれと異ならせようとしましたが種々の問題がありうまくいきませんでした。持株会社を設立して、各種事業部門を別会社にして対処することはできますか。

株式交換・株式移転によって持株会社によるグループ経営が行えます。

1.意義
 持株会社とは、総資産に占める子会社の株式の比重が50%を超える会社をいいます(独禁法9条5項1号)。自らは事業活動をせず、他社の株式を保有し支配することを主な目的とする純粋持株会社と、自らも事業を行うとともに他社の株式を保有し支配する事業持株会社とがあります。
2.持株会社の解禁
 従来は、純粋持株会社の設立は全面的に禁じられていました。持株会社を中心とした企業グループが形成され、事業支配力の過度の集中(例えば、戦前の財閥支配)により、自由競争を阻害する危険性を考慮してのことです。しかし、純粋持株会社においては、多角化・多国籍化等に対応した効率的企業組織の実現と円滑な人事・労務管理の実現が可能となる(例えば、カンパニー制の導入などにより、専門性を重視し、部門に応じた給与の体系の導入等も可能となります。)など、メリットがあります。所有と経営を完全に分離することも可能となり、創業者一族の継続的な事業支配も可能ともなります。
 そのため、経団連から純粋持株会社の解禁を求める提言が出され、平成9年の改正において、一律に規制されていた純粋持株会社が解禁となり、事業支配力が過度に集中することとなる場合を除いて純粋持株会社の設立も認められることとなりました(独禁法9条)。
 解禁後、純粋持株会社を設立し、企業グループを持株会社による統一的指揮の下で経営する企業が増えてきています。
3.持株会社設立の方法
 持株会社を設立し、子会社となる会社の株主総会の特別決議で、その株式の全部を持株会社に取得させることを承認し、持株会社の100%子会社となる「株式移転」を行えばできます。新たに持株会社を設立しなくても、既存の会社に、子会社となる会社の株式の全部を取得させる方法でも行えます(「株式交換」)。
 株式交換・株式移転の手続の概略は、以下のとおりです。
 【1】株式交換契約の締結または株式移転計画の作成
 【2】事前の開示
 【3】株主総会特別決議による承認
 【4】会社債権者異義手続(一定の場合のみ必要)
 【5】登記
 【6】事後の開示

対応策

持株会社を設立し、あるいは、既存の会社を持株会社とし、各事業部門を別会社として、それらの会社の株式を持株会社に全部取得させる株式交換または株式移転の手続きを行えば、持株会社によってグループ経営として管理することも可能になります。

予防策

持株会社は、オーナー企業の事業承継対策にも利用できます。グループの結束強化に、持株会社の導入を考えてみてはいかがですか。

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