法律Q&A

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代理店・特約店による事業展開

弁護士 船橋 茂紀
1997年4月:掲載(校正・小林 昌弘2001年2月

代理店・特約店によって事業を展開する場合、法的にはどのようなことに注意したらよいですか。

事業展開にするにあたってA地区についての販売網を拡充する趣旨でX社をA地区の当社の代理店にしようと思っています。どのような方法がありますか。

契約関係を明確化して契約書を作成して置くことが重要です。

1.代理店と特約店
 自社が製造会社であって独自の販売網をもたない場合、あるいは、自社の販売網だけでは不十分であり新たな市場を開拓するために他社の販売網を利用したい場合には、他社に対して、製品の販売等を委託等しなければなりません。この場合に、他社との間で1つの取引毎に売買契約を締結する方法もありますが、他社との取引が継続的である場合、他社との間で代理店契約や特約店契約を締結する場合があります。
2.代理店契約
 代理店契約とは、他社に自社を代理させて第三者(ユーザーなど)との間の売買契約を締結させる形態の契約です。この場合、売主となるのは、自社であり、代理店は単なる代理人に過ぎません。代理店は、手数料収入を取得します。
3.特約店契約
 特約店契約とは、他社に自社製品を一旦購入させた上で、第三者(ユーザーなど)に販売させる形態の契約です。この場合、自社から他社への売買と他社から第三者への売買と2つの売買契約が存在することになります。
4.注意点
(1)
 代理店契約と特約店契約とは、理念的には2.と3.とにおいて説明した違いがありますが、契約書のタイトルが「代理店契約書」であっても実際の契約内容は特約店契約であったり、契約書のタイトルが「特約店契約書」であっても実際の契約内容は代理店契約であったりすることがありますので、注意が必要です。

(2)
 いずれの契約であっても、自社の販売戦略を実現するために、他社の「販売価格」「販売数量」「販売地域」「販売先」などを拘束し、反面で、「リベートや販売報奨金」などを約束することがありますが、過度にわたる場合には、独占禁止法上で、規制されることもあります。

(3)
 代理店と特約店の倒産などの場合の債権回収手段も考えておくべきです。具体的には、途中解約条項・出荷停止条項・期限の利益の喪失条項・相殺条項・取引状況の報告義務条項・商品の引き上げに関する条項・取引限度額条項などを契約書に盛り込んでおくべきですし、できれば他社の代表取締役に個人保証をさせるなり、保証金を差し入れさせるなり、担保を設定させるなどしておくべきです。

対応策

まず、第三者(ユーザーなど)に対する販売主体を当社とするかX社とするかを決めます。X社が法的意味での代理店か特約店かを決定する訳です。次に契約内容について、販売価格、販売数量、販売地域、販売先、販売報奨金、契約期間、途中解約の可否及び要件、出荷停止の可否及び出荷停止により発生した損害に対する免責、保証等を確定します。

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