法律Q&A

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代表取締役の急死

弁護士 船橋 茂紀
1997年4月:掲載(校正・大濱 正裕 2007年12月)

社長が急死した場合はどうすればよいのですか。

代表権をもつ社長が心臓発作で突然死亡しました。専務取締役をしている社長の長男を新たに代表取締役を選任したいと思います。どのような手続をとればよいでしょうか。

取締役会を開催して後任代表取締役を選任し、場合によっては仮取締役、仮代表取締役の選任を裁判所に請求し、もしくは株主総会を開催して(代表)取締役を新たに選任します。

1.代表取締役の選任手続
 株式会社には代表取締役を置かなければなりませんが、代表取締役は、取締役会の決議で選出されることになっています(会社法第362条第2項第3号)。従って、代表取締役を選出するには、取締役会を開催しなければならないのですが、通常招集権者とされている代表取締役が死亡していますので、各取締役が取締役会を招集することになります(会社法第366条第1項)。
 取締役会設置会社においては、取締役は3人以上でなければならず(会社法第331条第4項)、残存取締役が3人以上であれば全く問題ありませんが、2人である場合に有効な決議が行えるかどうかが問題となります。
 この点、取締役等の役員を選任する株主総会決議において、役員が欠けた場合又は会社法もしくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができ(会社法第329条第2項)、設問のような不測の事態に備えるためには、補欠役員を選任しておくことは有効な手段といえます。
 なお、補欠役員の定めをしないまま、法律または定款に定めた取締役の員数に欠員が生じたとしても、残存する取締役によって取締役会を開催し、現存する取締役の中から後任の代表取締役を選定することはできるとされています。ただし、この場合の取締役会の定足数は、法律または定款に定めた最低の員数を基礎として計算しますので、たとえば、定款で3名の取締役を要する旨規定している会社では2名の取締役、4名を要する旨規定している会社では3名の取締役の出席が必要となります。
 仮に、残存する取締役の中に後任の代表取締役候補がおらず、または何らかの理由で株主総会を開催して遅滞なく取締役を選任できないときは、仮取締役の選任を裁判所に請求するか(会社法第346条第2項)、仮代表取締役の選任を裁判所に請求(会社法第351条第2項)することができます。
2.株主総会の招集手続
 残存取締役の意見がまとまらない場合には、取締役選任・解任のための臨時株主総会を開催し、株主の意向に基づいて決せさせるべきです。臨時株主総会を開催するには、(1)において暫定的に選出した代表取締役において株主総会を招集させます。右臨時株主総会で選出された取締役によって構成される取締役会において新たな代表取締役が選出されることになります。同様のことは、新たに代表取締役としたい人が取締役になっていない場合にも妥当します。

対応策

取締役会を開催して新たに長男を代表取締役に選出し、その旨を登記します。長男が取締役にもなっていない場合には、株主総会を開催して長男を取締役に選任した上で取締役会を開催して長男を代表取締役に選出します。

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