法律Q&A

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パワハラとはどのように向き合えばよいでしょうか

弁護士 高木 健至 2018年8月:掲載

営業成績が向上しない部下に対し、上司から「努力が足りない」、「遅れを取り返すために休まず仕事をすべじゃないのか」、「君のせいで周りが迷惑している」、「(同社の営業職には)向いていないから、辞めた方が良い」などの発言が毎日くり返された。その結果、当該部下は、上記発言を受け始めてから3ヶ月後にうつ病の診断書を会社に提出し、出社できなくなってしまいました。
会社としては、どのような対応をすべきでしょうか。

本件において、上記上司の発言は、違法なパワーハラスメント(以下「パワハラ」と記す)に当たると考えられます。会社としては、このようなパワハラ発生の事前防止、発生後の事後的対応として下記の取組みがのぞまれます。

(1)企業責任
 被害者から会社への善処・改善・救済の申立の有無を問わず、違法性を帯びているパワハラ等の存在を認識していながら放置した場合、あるいは、容易にそれを探知できたにも拘わらず認識しなかった場合には、企業には職場環境調整義違反(債務不履行責任(民法415条、労働契約法5条))を問われる可能性があります。また、不法行為責任を負う加害者と共に、使用者責任(民法715条)を問われる可能性もあります。
(2)労災認定
 パワハラ等によるうつ病の発症・自殺についても、労災認定される場合があります。
(3)具体的にどのように対応すればよいのか?
i 職場のパワーハラスメントを予防するためには、
・組織のトップがパワハラは職場からなくすべきであることを明確に示す
・就業規則に関係規定を設ける
・実態を把握すべく従業員へのアンケートを実施する
・役員・従業員への研修を実施する
・組織の方針や取組について周知・啓発を実施すること
等の取組みが考えられます。

ⅱ 職場のパワーハラスメントを解決するためには、
・企業内・外に相談窓口を設置する、職場の対応責任者を決める
・外部専門家と連携し、被害者対応を適切に行う
・行為者及びその上司に対する懲戒処分、再発防止研修等を行う
こと等が重要です。

(4)職場のパワーハラスメントをなくすために
 パワハラは、未然防止、早期解決が重要ですので、職場の構成員一人ひとりが、互いの価値観などの違いを認め互いを受け止め人格を尊重し合うこと、互いに理解し協力し合うため適切にコミュニケーションを行うよう努力すること、問題を見過ごさず、パワーハラスメントを受けた人を孤立させずに声をかけ合うなど、互いに支え合う意識を醸成することが重要です。

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