法律Q&A

分類:

外国人と労働契約を締結する際の留意点

弁護士 筒井 剛(ロア・ユナイテッド法律事務所)
2003.10.05

さまざまな人材を確保する観点から、外国人についても積極的に採用したいと考えています。労働契約締結時の留意点、その他雇用管理上配慮すべき事項などありましたらお教え下さい。

在留資格、在留期間の確認が必要不可欠。

1. まずは在留資格、在留期間の確認
 外国人労働者と労働契約を締結する場合に、最も大切なことは、当該外国人が本邦において労働する資格を持っているかを確認することです。即ち、わが国に在留する外国人は入国時に与えられた「在留資格」の範囲内で、「在留期間」に限り活動することが認められているに過ぎません。よって、外国人と労働契約を締結する場合は、就労させる業務の内容が「在留資格」の範囲内であり、「在留期間」が過ぎていないかどうか等について、旅券(パスポート)の上陸許可証印や外国人登録証明書等で確認する必要があります。
2. 在留資格がなかった場合には雇用者に刑事罰も
 仮に、雇用者が、在留資格がない外国人と労働契約を締結し、就労させてしまった場合には、当該外国人自身に刑事罰の適用があるのみならず、雇用者も不法就労助長罪(出入国管理及び難民認定法73条の2)として、3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、またはこれらを両方の罰を受けるおそれがあります。

 雇用者は、知らなかったでは済まされない危険もありますので、在留資格の有無については充分確認する必要があるのです。

3. 具体的な在留資格
 では、具体的に在留資格とはどのような資格をいうのでしょうか。簡単に言うと、在留資格とは、外国人が日本に在留し活動することができる身分もしくは地位の種類をいいます。現在、以下の27種類に分類されています。ここでは、就労可能性の観点から大きく3つのグループにまとめました。

(1) 在留資格に定められた範囲内で就労が可能な在留資格

 「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」(一定の事業規模、待遇面、経歴についての要件を満たす外国人)、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」(人文科学の知識を必要とする業務に従事しようとする一定の要件を満たした者)、「企業内転勤」、「興行」、「技能」(外国料理の調理、外国特有の製品の製造等、特殊な分野の熟練した技能を有する一定の要件を満たした者)

(2) 就労できない在留資格
 「文化活動」、「短期滞在」、「留学」、「就学」、「研修」、「家族滞在」、「特定活動」

(3) 就労に制限がない在留資格
 「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」

4. その他の雇用契約締結時の留意点
原則として、日本の労働法規は、外国人労働者に対しても適用されます。外国人であることを理由とする不当な差別は許されないからです。

 具体的には、当該外国人の母国における人件費が安いからと言って、我が国の最低賃金法以下の賃金で労働契約を締結することは許されません。

5. 雇用管理上配慮すべきは在留期間の確認
 わが国に在留する外国人はあくまでも「在留期間」内での活動が認められているに過ぎません。したがって、在留期間を超えて在留しようとする場合は、その満了する日までに在留期間の更新申請を行ない、在留期間更新許可を受けなければなりません。

 さらに、活動の内容を変更しようとするときには、事前に在留資格の変更申請をして許可を受けなければなりません。

 これらの手続を当該外国人が怠った場合、雇用者も上記の不法就労助長罪に問われるおそれがありますので、充分な指導・監督が要求されます。

 もっとも、在留手続等については複雑な点もありますので、少しでも不安なことがあれば、最寄りの地方入国管理局に確認することすることをお勧めします。

関連タグ

身近にあるさまざまな問題を法令と判例・裁判例に基づいてをQ&A形式でわかりやすく配信!

キーワードで探す
クイック検索
カテゴリーで探す
新規ご相談予約専用ダイヤル
0120-68-3118
ご相談予約 メルマガ登録はこちら