法律Q&A

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出来高払いとは何か?(P5-7)

(1)労基法上の出来高払制の保障給
 労基法は、出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない(同27条)、と定めています。ここで、出来高払制とは、労働者の製造した物の量・価格や売上額などに応じた一定比率で額が定まる賃金制度をいいます。なお、年間の目標をあらかじめ定めた目標に照らして評価する年俸制は、この出来高払制には該当しないと解されています(菅野和夫「労働法」第5版補正2版225以下参照)。
(2)保障の目安
 上記保障制度は、労働者の責に基づかない事由によつて実収賃金が低下することを防ぐ趣旨ですので、通常の実収賃金と余りへだたらない程度の収入を保障されるようその額を定むべきである(昭22.9.13発基17、昭63.3.14基発150)、とされ、具体的には、「だいたいの目安としては、少なくとも平均賃金の百分の六〇程度を保障するのが妥当であろう」とされています(労働省労働基準局「全訂解釈通覧労働基準法」157)。しかし、労働者が労働しなかつた場合には本条の保障給の支払義務はないとされています(昭23.11.11基発163)。
(3)労基法上の保障給請求権はない
 なお、上記保障給制度は、使用者が保障給を支払わない場合には労基法120条の規定によつて処罰されることにはなりますが、裁判所が保障給として相当な額を定めてその支払を命ずることはできないものと解するのが相当である(三宝商事事件・東京地判昭43.1.19労民19-1-1)、とされています。
 従って、労基法上の保障給制度に基づき、前述の行政解釈のように、平均賃金の約60%の保障給請求権が当然に発生する訳ではありません。そのっような請求権は、就業規則の定めや慣行等を含めた、明示乃至黙示の労働契約の定めによることになります。

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