法律Q&A

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労災で負傷・死亡したときにはどのような補償給付が受けられるのか?(P6-1)

 労災(業務上災害)で負傷・死亡した場合に関する補償給付は、下記の通り7種類です。

(1)療養補償給付
 労働者が業務上負傷し又は疾病にかかった場合に、その疾病について行なわれる給付で、療養の給付と療養費の給付の二種類ありますが前者が原則です。療養の範囲は、診察、薬剤等の支給、処置・手術その他の治療、病院または診療所への収容、看護、移送等です(労災保険法13条)。
(2)休業補償給付
[1]給付内容
 労働者が業務上の疾病による療養のため労働することができず賃金を受けられない場合に、休業の4日目から支給されます。支給される額は、1日につき給付基礎日額の60%に相当する額です。休業補償給付が支給されない最初の3日間については、使用者から労基法上の休業補償を受けられます。

[2]給付基礎日額とは
 なお、ここでの、給付基礎日額とは、原則として、労基法上の平均賃金に相当する額です(労基法12条、労災保険法8条)。

(3)障害補償給付
 業務上の傷病が治った時、身体に障害が残った場合、障害の程度に応じて支給されます(労災保険法15条)。労災保険法では、障害等級1級ないし7級までの障害については障害補償年金が支給されます。
(4)遺族補償給付
 業務上で労働者が死亡した場合に支給されます。これには、遺族補償年金と遺族補償一時金の2種類があります(同16条の2)。前者を受給できる遺族は、労働者に死亡当時その収入によって生計を維持していた配偶者(内縁の者を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹であるが、妻以外の遺族にあっては、労働者死亡の当時一定の年齢にあることまたは一定の障害の状態にあることが要件となっていて、上記受給資格者全員に与えられるのではなく、その最先順位者にのみ与えられ、年金額は、年金額の算定の基礎たる遺族の数に応じて決められています。労働者の死亡当時、遺族補償年金を受給すべき遺族がいないなどの場合には、遺族に後者が与えられます。その額は、最高で給付基礎日額の1000日分です。
(5)葬祭料
 業務上で労働者が死亡した場合に、その葬祭を行なう者に対して支給されます(同17条)。現在、葬祭料は、死亡した労働者の葬祭を行うと認められる者に対して、315,000円の基本額に給付基礎日額の30日分を加算した額、又は給付基礎日額の60日分の額のいずれか高い方の額が支給されます(同施行規則17条)。
(6)傷病補償年金
 療養補償給付を受けている労働者の傷病が、療養開始後1年6ヶ月を経過しても治らず、かつ、その傷病の程度が一定の障害の程度にある者に対して支給されます(同法12条の8第3項)。年金額は、傷病等級に応じて1級から3級までに区分されています。この給付が支給される者には、休業補償給付は行われなくなります。なお、これを受けることになった場合には、療養開始後3年を開始した日、または、同日後に傷病補償年金を受けることとなった日において、労基法 81条にいう打切り補償が支払われたとみなされ、同19条による解雇制限等もなくなることに注意すべきで、傷病補償年金への移行には慎重な判断が必要となります。
(7)介護補償給付
 障害補償年金、傷病補償年金の受給権を持つ労働者が常時または随時介護を要する状態にあり、かつ、常時または随時介護を受けているときに、当該労働者に対して支給されます(同12条の8第1項7号・4項)。その額は、介護に通常要する費用を考慮して労働大臣が定めます(同施行規則18条の3の4)。
(8)二次健診給付
 以上の他、労災に対する補償とは性格が違いますが、いわゆる過労死の予防対策として、法定健康診断に基づき一定の場合、二次健康診断及びその結果に基づく保健指導が労災保険の保険給付(現物給付)として認められています(同26条乃至28条)。

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