法律Q&A

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社内健康診断を拒否することはできるのか?(P6-9)

(1)法定健康診断における医師選択の自由
 労安法上の定期健康診断に関しては、従業員に受診義務がありますが(X線受診義務を認めた愛知県教育委員会事件・最判平成13.4.26 労判804- 15)、法定健康診断事項に関する健康診断書を企業に提出する限り、担当医師の選択の自由が認められ(労安法66条5項)、結果的に、従業員は、社内健康診断を拒否することができます。
(2)法定外健康診断の場合
[1]受診義務規定がある場合
 労安法の上記の規定は、企業が様々な健康配慮義務の遂行の過程で遂行する法定外の健療診断には及びません。この問題について、判例は、先ず、健康管理規程等により就業規則上受診義務に関する規定がある場合につき、帯広電報電話局事件(最判昭61.3.13労判470-6)において、「労働契約上、その内容の合理性ないし相当性が肯定できる限度において、健康回復を目的とする精密検査を受診すべき旨の健康管理従事者の指示に従うとともに、病院ないし担当医師の指定及び健診実施の時期に関する指示に従う義務を負担している」として、企業指定医師による法定外の頚肩腕症候群総合精密検診の受診命令の有効性を認め、これを拒否した労働者の戒告処分を有効とし、企業指定医の受信義務を認めています。

[2]就業規則上受診義務に関する規定がない場合
 判例は、就業規則上受診義務に関する規定がない場合についても、[1]医師選択の自由の原則を認めつつ、[2]「被用者の選択した医療機関の診断結果について疑間があるような場合で、使用者が右疑問を抱いたことなどに合理的な理由が認められる場合」使用者指定の医師による受診義務の例外的な発生があり得ることを認めています(空港グランドサービス・日航事件・東京地判平3.3.22判時1382-29、同旨・京セラ事件・東京高判昭61.11.13判時 1216-137)。結局、健康診断を行なう合理性の存否が決め手になります。

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