法律Q&A

分類:

派遣社員は正社員になることはできるか?(P8-5)

(1)派遣先に正社員としてスカウトされることは原則自由
 派遣社員の場合には派遣先への採用が派遣法によって保護されています。つまり、派遣元事業主は、雇用する派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする者との間に正当な理由なく派遣先である者(ないしあった者)又は派遣先となることとなる者に自己との雇用関係の終了後雇用されることを禁じる契約を締結してはならないし(33条1項)、又、派遣先である者(ないしあった者)又はなろうとする者との間でも同様の制限を受けているのです(33条2項)。
(2)派遣社員の派遣先への就職に対する制限の困難
 結局、派遣社員の派遣先への就職に対する制限は、正当な理由のない限り、派遣元と派遣社員との雇用関係終了後については禁止されているのです。ここでの「正当な理由」については極めて高度な重要機密を持った派遣先の研究・専門職等の場合を除き、一般には余り見当らないようです。この禁止は私法上も効力がある強行規定となっていて、この禁止に違反する契約は無効とされ拘束力を持ちません。
(3)現実的な実現策
 法的には以上のように派遣社員と派遣元との雇用契約期間中のスカウトを禁ずる契約がなければ元々問題ないのですが、仮にこのような契約があっても、派遣労働者が派遣元との間の雇用契約終了後であれば問題ないことになります。しかし、現実には、派遣社員が派遣先に就職する際に、引き抜きなどを理由として派遣元や派遣先との間や、その社員との間で紛争化することがあり得ます。特にコンピューター関係では、今でも不足気味のいわゆるSE(システムエンジニア)の育成に膨大な投資をしていることも少なくなく、派遣社員の派遣先への正社員としての移籍に対し抵抗も予想されるので、これを避けるには、基本的には派遣元との話合いによる円満退職による解決が望ましいでしょう。

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