法律Q&A

分類:

外国人労働者の取り扱いとは?(P8-7)

(1)入管法による就労規制の基本方針
 平成元年に「出入国管理及び難民認定法」(入管法)改正されるまで、外国人の就労(報酬を伴う職業活動)については、日本人や永住者の配偶者や子である場合を除けば著しく制限されていました。外国人の受容れについては、最近は特に少子高齢化・IT化対策などで、開放論が強まっていますが、基本方針は、現在でも、「専門的、技術的分野の労働者は受け入れを積極的に推進する。いわゆる単純労働者の受入れについては、我が国経済社会と国民生活に広範な影響が懸念されることから国民のコンセンサスを踏まえつつ十分慎重に対応する」(第9次雇用対策基本計画平成11年8月閣議決定)とされています。
(2)就労できる在留資格
 外国人は入管法で定められた在留資格の範囲内でのみ日本での活動が認められ、かつ在留期間が決まっています。就労できる外国人は、[1]在留資格が外交、医療、技術などとなっている専門職又は特別の技能をもった者、[2]永住者、定住者、日本人・永住者の配偶者等、[3]在留資格が留学、就学など本来就労目的ではないが、入国管理局で資格外活動許可を得た者、[4]特定活動(外国弁護士の代理業務、ワーキングホリデー、技能実習等など)を行う者となっています。
(3)単純労働できるのは
 前述(1)の政策から、単純労働を目的とした在留は認められていません。「留学」「就学」の在留資格をもって在留する外国人がアルバイトを行う場合、地方入局管理局で資格外活動の許可を受けることが必要です。資格外活動の許可を得た「留学生」は、原則として1週28時間なので、資格外活動の許可を得た「就学生」は、原則として1日4時間まで就労できます。
 なお、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者は、在留活動に制限がなく、職種を問わず就労することができます。日系2世、3世などは、「日本人の配偶者」又は「定住者」として在留する場合に限り、就労活動に制限はありません。
(4)労働関係法規・社会保険の適用関係
 国籍を問わず日本で働く全ての外国人労働者に、労基法、最低賃金法、労安法、労災保険法などの労働法令が不法就労かどうか、パート、アルバイトといった雇用形態、雇用期間の有無などに関わらず適用されます。雇用保険は、雇用関係終了と同時に帰国することが明らかな場合を除き、在留資格の如何を問わず原則として被保険者として取扱われています(平5.1.12-4労経保監881)。
 国民年金・厚生年金・健康保険などの被用者保険は外国人の就労者に、就労資格の有無を問わず適用されます。国民健康保険は、1年以上の滞在が見込まれる者に適用されます。 
(5)厚生労働省「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」
 なお、外国人労働者を雇用する際に配慮すべき事項について、厚生労働省では指針を定めています。 その内容は、外国人労働者への労働法等の適用、適正な募集、採用時の在留資格の確認、労働条件の明示、旅券の不保管、理解可能な安全・衛生教育の実施、労災保険制度の周知、外国人雇用状況報告、10人以上の外国人労働者を雇用する際の責任者の選任などです。
(6)不法就労助長罪(入管法73条の2)
 就労を認められない在留資格で滞在している外国人や、在留期間を超えて滞在している外国人、上陸の許可を受けずに入国した外国人などのいわゆる「不法就労者」を雇用したり、不法就労となる外国人をあっせんした者など不法就労を助長した者は3年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます(適用例として、東京高判平5.9.22高刑集46-3-263)。
(7)不労就労と解雇予告
 不法就労が発覚した時でも、直ちに解雇予告除外認定がなされ、即時解雇されることにはなりません。但し、就職時点で証明書類の偽造があったために、不法就労の確認ができなかった場合などは、経歴詐称にあたることから除外認定がなされ、解雇が有効とされる可能性はあります。

関連タグ

身近にあるさまざまな問題を法令と判例・裁判例に基づいてをQ&A形式でわかりやすく配信!

キーワードで探す
クイック検索
カテゴリーで探す
新規ご相談予約専用ダイヤル
0120-68-3118
ご相談予約 メルマガ登録はこちら