法律Q&A

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賃金や昇進・処遇における差別とは?(P9-2)

(1)賃金差別の禁止
 均等法の成立以前から、労基法では、男女同一賃金の原則として、使用者は、女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない旨を定め(同4条)、多くの判例においても、これに違反するとして、差別賃金への慰藉料等の損害賠償責任が認められています(差額賠償が認められた日ソ図書事件・東京地判平4.8.27労判611-10等。なお、菅野和夫「労働法」第5版補正2版151以下参照)。
(2)昇進に関する指針による禁止事項の内容と企業の対応策
 改正均等法においては、これまで事業主の努力義務であった配置・昇進について、女性に対する差別を禁止しています(同6条)。厚生労働省は、昇進に関する差別禁止のため具体的指針を示し企業に対応を求めています。例えば、転居を伴う配転への対応を例に取りますと、女性のみ育児や介護の家族的責任を考慮して配転させないのは改正均等法違反となります。但し、男女共に家族的責任を持つ労働者に転勤を制限するのは違反にはなりません。
(3)コース別雇用管理への指針
 「コース別雇用管理制度」については、その制度が労働者の意欲、能力に基づいて処遇する制度であり、各コースの職務内容、処遇等が明確に定められ、各コースが男女ともに均等に開かれるとともに、各コース内における配置・昇進等の雇用管理も男女公平に実施されている限り、均等法上の問題はない、と解されています。しかし、コース別雇用管理が実質的に男女別雇用管理と見なされれば、改正均等法第5条・6条違反となります。この点につき厚生労働省は、平 12.6.16付「コース等で区分した雇用管理についての留意事項」を示しています。なお、最近、男女別のコース別人事管理に対して、均等法施行前は公序良俗違反ではないが施行後については違法として慰藉料を認めた例が示されています(野村証券事件・東京地判平14.2.20労判822-13)。

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