- (1)男女別定年制、女性労働者の結婚・妊娠・出産退職制等の禁止
- 改正均等法8条は、従前同様、定年・退職・解雇での差別を禁止しています(事業主は、労働者の定年及び解雇について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない。/2 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。/3 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、出産し、又は労基法上の産休を取得したことを理由として、解雇してはならない。)。
これにより、男女別定年制、女性労働者の結婚・妊娠・出産退職制、女性であることを理由とする解雇、女性労働者の結婚、妊娠、出産及び産前産後休業の取得を理由とする解雇が禁止されています。
したがって、これらの定年制や退職制を定める就業規則や労働協約はその部分については無効となります。
- (2)結婚退職金上積制度はグレーゾーン
- なお、女性が結婚退職する場合に退職金を上積みするいわゆる結婚退職金上積制度について、厚生労働省は、直接本条に抵触するものではないと解しています。しかし、この制度が女性の結婚退職を勧奨する効果をもつ面もあり、本条の趣旨に照らし好ましいこととはいえないとされています。しかし、あらかじめ支給要件が明確な退職金は賃金に当たり、上記のような制度は労基法4条に違反することになり得ますので、厚生労働省の見解には疑問を抱かざるを得ません。