法律Q&A

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育児や介護をしているときに残業や深夜業を減らせるのか?(P10-3)

(1)男女共に家族的責任を有する労働者には深夜勤務や一定時間以上の残業の免除請求権がある
 女性労働者に対する一般的な深夜業・残業規制は廃止となりましたが(P9-4参照)、育児介護休業法により、下記のように、男女共に、家族的責任を有する労働者は、深夜勤務や一定時間以上の残業の免除を請求することができます(同17条乃至20条)。
(2)家族的責任を有する労働者の深夜業の制限
[1]概要
小学校就学前の子を養育する労働者(同19条1項)又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者(20条1項)(いずれも日々雇用される者は除かれます。両者を一括して「家族的責任を有する労働者」)は、下記のような深夜業の免除を求めることができます(同19条)。ポイントは、a回数制限はないこと bパート等にも適用が有り得ることc深夜業務なき職場への配転義務はないことd適用除外があることです。

[2]深夜業の制限の対象となる労働者と事業主の義務
家族的責任を有する労働者が、その子を養育するため又はその対象家族を介護するために請求した場合、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、午後10時から午前5時までの間(深夜)において労働させてはなりません。ただし、次のような労働者は請求できません。【1】当該事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者【2】深夜において常態としてその子の保育又はその対象家族の介護ができる同居の家族(16歳以上の同居の家族で、深夜就業しておらず、精神・身体上保育可能な者等)がいる労働者(育介則31条の11等)【3】その他請求できないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者(1週間の所定労働日数が2日以下の労働者、所定労働時間の全てが深夜にある労働者等。育介則31条の11、同条の12、同条の17)

[3]深夜業制限の請求方法
制限の請求は、1回につき、1月以上6月以内の期間について、開始の日及び終了の日を明らかにして、開始の日の1月前までにしなければなりません(同19条2項、20条1項)。この請求は、何回もすることができます。

(3)家族的責任を有する労働者の時間外労働の制限
[1]時間制限
育児介護休業法により、平成14年4月1日以降、家族的責任を有する労働者は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1か月当たり24時間、1年当たり150 時間を超える時間外労働の免除を請求できます(同17条1項、18条1項)。

[2]適用除外
概ね、深夜業の制限の場合と同様、次の場合には、労働時間の制限は受けられません(同17条1項、18条1項)。a当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者b 配偶者が常態として当該子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者に該当する場合(育介則31条の2)c 当該請求できないことに合理的な理由があると認められる労働者(1週間の所定労働日数が2日以下の労働者等。育介則31条の3)。但し、bの適用除外は、介護の場合については適用されません(同則31条の7、同条の3第1号)。

[3]時間外労働時間制限の請求方法
制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、その開始の日及び終了の日を明らかにして制限開始予定日の1か月前までにしなければなりません。

(4)不利益取扱の禁止
 なお、平成13年の改正育児介護休業法の施行に伴い、同法の指針も改正され(子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針<平14.1.29厚労告13>)、以上の深夜・時間外労働請求を理由とする解雇その他の不利益な取扱いをしてはならないこと等が指導されています。

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