メルマガ「人事労務の勘所」

2016.05.17

第31回 定年後の再雇用に際し、未消化の年休はどう扱われるか?

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ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
定年後の再雇用に際し、未消化の年休はどう扱われるか?
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【 状況 】
定年退職後に従業員を契約社員として継続雇用する予定です。
この場合、いったん退職するわけですから、
定年後の勤務が始まってから6か月を経過するまでは、
有給休暇を与えなくてもよいでしょうか。
また、定年退職時に未消化の年次有給休暇が残っていたとしても、
退職によって休暇取得の権利がなくなったものとして扱ってよいでしょうか。
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【 A 】
定年退職後に従業員を継続して雇用する場合には、
「継続雇用開始から6か月を経過するまでは有給休暇を与えない」
という扱いをすることはできません。
また、未消化の有給休暇の権利は、継続雇用後に繰り越されます。
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【 解説 】
労働基準法39条1項は、
1、雇入れの日から6か月間の継続勤務、
2、その間の8割以上の出勤
を条件に、労働者に年次有給休暇の権利を認めています。

1、の点について、行政解釈では「継続勤務」かどうかは、
勤務の実態に即して実質的に判断すべきものとされており、
定年後に継続雇用する場合には、定年の前後の勤務は、
同項の「継続勤務」に該当するとしています。

そうすると、
「定年後に改めて6か月間の勤務を経ないと有給休暇を取得できない」
という扱いは、労基法に違反するものであり、認められないことになります。

また、年次有給休暇の請求権は、時効(2年)によって消滅しない限り
翌年度以降も繰り越して行使できると解されています。

そのため、継続雇用によって、勤務が継続していると評価できる場合には、
定年退職により、未消化の有給休暇を取得し得なくなるという扱い
をすることは、やはり労基法に違反することになります。

したがいまして、定年時に未消化のまま残った有給休暇は、
継続雇用開始後に繰り越して付与しなければなりません。

要するに、定年退職者を引き続き雇用する場合には、有給休暇の扱いにつき
定年退職という事情は、特段の影響を及ぼさないということです。
(文責:弁護士 岩野 高明)

~ 次回、平成28年6月配信予告 ~
【 Q 】
外回り営業社員の居場所をGPSで把握することは許されるか?

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~ 執筆者コラム ~
企業の人事部の方などから毎日相談を受けているのですが、
事業の内容や規模、商品、サービス等は、企業ごとに実に様々で、
創業以来の歴史や業界の慣習、個人の経験談、失敗談、武勇伝など、
興味深いお話を伺うことも少なくありません。

社会が緻密な分業で成り立っていることを改めて感じます。

通常1時間の相談枠の中では、もちろん事案や法律の話が中心になりますが、
一定の方針が決まった後で、少し時間が余るときもあります。
このような時間に、本題を離れて聞かせていただく業界話も、
日々の業務における楽しみの一つになっています。

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