メルマガ「人事労務の勘所」

2016.07.06

第33回 居酒屋で泥酔し、店員を殴り逮捕された社員の懲戒解雇は有効か?

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

※このメールは以前に、当事務所にお越しいただいた方、
名刺を交換させていただいた方、当事務所のHPより
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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
居酒屋で泥酔し、店員を殴り逮捕された社員の懲戒解雇は有効か?
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【 状況 】
弊社の平社員であるXは、休日に友人と酒を飲み泥酔し、
居酒屋の店員を殴り、警察に通報され、逮捕・勾留されました。
Xは初犯であり、示談も成立した等の事情から不起訴処分となり、
報道等もされていません。
本事件を理由にXを懲戒解雇することはできるのでしょうか。
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【 A 】
Xの非違行為の程度に比して、懲戒解雇というXに不利益が極めて大きい処分は、
無効であると考えられます。
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【 解説 】
判例では、業務に関連しない(今回の場合はXの)私的な犯罪行為について
懲戒が許されるのは、会社の事業の規模や労働者の地位・職種などを
総合的に考慮して、その「行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が
相当重大である場合」に限られると判断しています。

今回の場合、Xは職務上の地位も低く、初犯で不起訴処分になっている上、
暴行行為は業務時間外であり、報道等で会社の社会的評価が
毀損されたともいえません。

したがって、懲戒解雇というXに不利益が極めて大きい処分は、
無効であると考えられます。

なお、懲戒解雇が有効と認められるためには
1 懲戒権が存在し、懲戒事由に該当すること
2 処分の相当性が認められること
3 適正な手続・制裁罰規制に反しないこと
が必要となります(今回の場合は1、2の観点から無効です)。

この1~3についての基本的な内容としては、
1 労使間の合意や、実質的に周知され、内容に合理性のある
 就業規則に懲戒の定めがあり、その懲戒事由に該当する
 (客観的に合理的な理由がある)こと

2 労働者の非違行為の程度に照らして、不当に重い懲戒処分でないこと

3 本人の弁明の機会の付与は規定の有無に関わらず行うこと
 また、過去に懲戒理由となった事実についての再度の処分ではないこと

などが挙げられます。
労働者に対する懲戒処分を行う場合には、1~3の各要件に
十分に留意して行う必要があるのです。
(文責:弁護士 髙木 健至)

~ 次回、平成28年8月配信予告 ~
【 Q 】
プロジェクトリーダーに任命されている社員の管理監督者性

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~ 執筆者コラム ~
先日、定年後の再雇用者への賃金の引き下げが労働契約法20条に
違反するとされた判決(東京地判平成28年5月13日)が出されました。

同判決では、嘱託職員と正社員で職務内容や責任の程度が同一である
にもかかわらず、労働者にとって重要な労働条件である賃金の額に
相違を設けることは、その相違の程度にかかわらず、
これを正当と解すべき特段の事情がない限り、不合理であると判断され、
関心が高まっております。

控訴されておりますので、高裁での判断が気になるところです。

弁護士 髙木健至のプロフィールはこちら
https://www.loi.gr.jp/about/lawyer/takagi-kenji.html#namelawyer

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