メルマガ「人事労務の勘所」

2016.08.17

第34回 プロジェクトリーダーを管理監督者と扱ってよいか?

株式会社○○○○
○○ ○○ 様

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

※このメールは以前に、当事務所にお越しいただいた方、
名刺を交換させていただいた方、当事務所のHPより
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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
プロジェクトリーダーを管理監督者と扱ってよいか?
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【 状況 】
当社では、一般社員からプロジェクトリーダーを一定数任命し、
当該リーダーには、メンバーの選定権、メンバーの評価を行う人事考課権のほか、
プロジェクトの運営スケジュールの決定権を与えています。
また、毎月一定額のプロジェクトリーダー手当も支給しています。
このような場合、プロジェクトリーダーを管理監督者として取り扱い、
例えば、時間外手当についても支給対象外としても問題ないでしょうか。
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【 A 】
メンバーの選定、評価、スケジュール決定への関与度合い、労務管理、
経営への関与や労働時間の裁量の有無、手当の額等にもよりますが、
単にプロジェクトリーダーに任命しただけでは
管理監督者性を否定される可能性が高いでしょう。
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【 解説 】
労基法では管理監督者に対しては、時間外、休日手当を
支払う必要がないとされています。

この管理監督者該当性は、
1 労務管理上使用者と一体の地位にあるか
2 労働時間決定に裁量性があるか
3 その地位にふさわしい処遇を受けているか
について総合的に考慮し、相当厳格に判断されています。

まず、1については、メンバーの選定権、メンバーの評価を行う人事考課権のほか、
プロジェクトの運営スケジュールの決定権がある場合は、
労務管理上の使用者との一体性を肯定する一要素にはなりえますが、
その他具体的な事情によっては、これが否定される可能性もあります。

次に、2については、例えば、出社時刻、休み時間、退社時刻が決まっている、
遅刻早退に届出の必要がある、遅刻早退が給与の減額や査定に響く等の場合には、
労働時間について裁量が無いとされる可能性が高いです。

最後に、3については、プロジェクトリーダー手当が支給されているとのことのみでは
地位にふさわしい処遇がなされているとはいえず、当該手当の趣旨、
額等から地位にふさわしい処遇がなされているか判断する必要があります。

以上を踏まえて、実情に即した慎重な判断が必要ですが、本件事情及び
裁判例の傾向等をからすると、一般社員をプロジェクトリーダーに任命しただけでは
管理監督者性を否定される可能性が高いでしょう。
(文責:弁護士 難波 知子)

~ 次回、平成28年9月配信予告 ~
【 Q 】
震災を理由として内定取消は可能か?

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~ 執筆者コラム ~
お客様からしばしば「労働事件以外はやっていませんか」
「家事事件を相談してもよいのでしょうか」というようなご質問を受けます。

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