メルマガ「人事労務の勘所」

2016.11.11

第37回 従業員を海外に派遣・出張させて転落事故に遭ったら?

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

※このメールは以前に、当事務所にお越しいただいた方、
名刺を交換させていただいた方、当事務所のHPより
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■ロアからのご案内■
ご好評いただいております、ロア人事・労務セミナーの
第10回を開催いたします!

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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
従業員を海外に派遣・出張させて転落事故に遭ったら?
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【 状況 】
建設会社のA社は、海外の工事も請負うようになったため、
中国で受注した建築現場に従業員Bを視察に行かせました。
ところがBが、現地の工事現場で転落して負傷してしまいました。
その場合の労災はどうなるのでしょうか。
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【 A 】
海外出張か海外派遣かで労災保険の取扱いが違うことに注意する必要があります。
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【 解説 】
海外出張の場合については、国内と同様に労災保険給付を受けることができます。
他方、海外派遣については、企業は事前に海外派遣者特別加入制度に
加入の手続を取っておかなければ、労災保険給付を受けられない場合があります。

そこで、従業員を海外に派遣する企業は、通常は、
あらかじめこの手続を取っておくことが必要となります。

ただし、実務的には、海外出張と海外派遣の定義が
非常にあいまいなものになっています。

たとえば、中国現地法人の総経理(社長)の死亡に対して、
労基署長や東京地方裁判所が海外派遣として労災を認めなかった事件においては、
東京高等裁判所では、次のような判断基準で結論が逆転しています。

つまり、派遣か出張かの区分について、
1 単に労働の提供の場が海外にあるだけで、国内の事業場に所属して
当該事業場の使用者の指揮に従って勤務しているのか(海外出張)
2、それとも、海外の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に
従って勤務しているのか(海外派遣)
という観点から、業務内容や勤務実態等を踏まえ、総合的に判断するとされ、
所属する東京営業所では、長期的な出張として内部処理され、
出勤管理簿などで管理されていたといった事情などを踏まえて、
上記1にあたり、海外出張であるとされ労災保険給付が認められました。

以上のように、労災保険での海外出張と海外派遣の区別に応じて、
海外出張を命じる際に両者の区別を意識した指示をなすべきでしょう。

微妙な場合は、事前に労基署への相談し、場合によっては、
海外派遣者特別加入制度に関する手続を行うことが必要となるでしょう。
(文責:弁護士 岩出 誠)

~ 次回、平成28年12月配信予告 ~
【 Q 】
労使間で労働条件の変更をする場合は、書面で交わしておけば十分か?

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~ 執筆者コラム ~
平成28年司法試験の合格者数が本年9月に発表されました。
幸いにも、私が労働法の講義を担当している
千葉大と首都大学東京の法科大学院の合格率の順位は、
74大学院中の15位、16位と、共に昨年よりは順位を上げました。

しかし、初めて、平均合格率の20.68%を、僅かとはいえ、
下回ったことは衝撃でした。

少なくとも労働法の問題に関しては、私の講義の演習問題で
勉強した内容と酷似した問題で、すんなりできたはずなのですが、
他で落としているようで悔やまれます。

弁護士 岩出 誠のプロフィールはこちら
https://www.loi.gr.jp/about/lawyer/iwade.html#namelawyer

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