メルマガ「人事労務の勘所」

2017.08.09

第46回 従業員が退職届の提出と同時に有休申請をしてきたら?

いつもお世話になっております。
ロア・ユナイテッド法律事務所でございます。

今月も人事労務の勘所を配信いたします。
皆様のビジネスシーンや生活の中で、少しでもお役立ていただければ幸いです。

※このメールは以前に、当事務所にお越しいただいた方、
名刺を交換させていただいた方、当事務所のHPより
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当事務所の代表パートナー弁護士岩出誠の論文
『実務詳説「適法な出向」の要件や課題』が
平成29年7月25日付発行「会社法務A2Z」2017年8月号
NO.123、38頁(第一法規)に掲載されました。

こちらのテーマにご興味をお持ちの方は、是非ご一読ください!

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『今月の人事労務の勘所』
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【 Q 】
従業員が退職届の提出と同時に有休申請をしてきたら?
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【 状況 】
A社は、年次有給休暇(以下「有休」といいます。)の残日数が20日
残っている従業員Bから、突然、有休消化満了予定日を退職日とした
退職届の提出と労働日20日分の有休の申請を受けました。
A社が引継ぎの必要があるから有休を認めないという判断をした場合、
適法となりますか。
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【 A 】
本件の場合、有休を認めないという判断をした場合、
不適法といえるでしょう(労基法39条違反)。
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【 解説 】
労働者には、退職の自由が保障されており、期間の定めのない労働契約において、
労働者は、2週間の予告期間をおけば、労働契約を解約することができます
(民法627条1項)。

そうすると、本件の場合、従業員Bは、有休消化満了後退社してしまい、
引継ぎ等ができないことになってしまうので、
「事業の正常な運営を妨げる場合」(労基法39条5項)に当たるとして、
会社は、時季変更権(有休の取得を他の時季に変更する権利)
を行使できるのでは、と考える方もおられるかもしれません。

しかし、時季変更権は、あくまで従業員が会社に在籍している
期間内でのみ行使可能であるため、本件の場合には、会社は、
時季変更権を行使して従業員の有休取得日を別の日に変更させることができません。

とはいえ、従業員が突然退職届を出し、それ以後出社してこなくなれば、
会社としても業務が滞ってしまったり、場合によっては営業機会を
逸するなどによって損害が発生してしまうなどの不都合が生じることも考えられます。

そこで、会社としては、上述の通り法的には強制はできませんが、
従業員に具体的に不都合な事情を説明して、引継書を作成して
メールで送って欲しいとか、引継ぎ等に最低限必要な時間だけでも出社して欲しい
といった説得をすることは構いません。

本件のような事態を避けるために、会社としては、計画年休制度を採用したり、
日頃から有休の取得を励行し、有休の残日数が少なくとも14日を下回るように
促しておくことが望まれます。
(文責:弁護士 髙木健至)

~ 次回、平成29年9月配信予告 ~
【 Q 】
懲戒解雇はどのような場合に有効になるか

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~ 執筆者コラム ~
先月7日に、定額残業代制度の有効性判断についての
最高裁の判決(平成29年7月7日第二小法廷判決 地位確認等請求事件)
が出されました。

同判決では、東京高裁における判断を覆し、当事者間で給与に
時間外労働への対価が含まれるとの合意が存在していた場合や
当該労働者に職務内容の特殊性が認められ、
高額所得を得ている等の事情がある場合であっても、
「通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを
判別することができることが必要である」
との判断が下され、明確区分性の要件について必須のものであるとの解釈が示され、
関心が高まっております。

同判決を受け、賃金規程の見直しが必要か
あらためて検討してみても良い機会かもしれません。

弁護士 髙木健至のプロフィールはこちら
https://www.loi.gr.jp/about/lawyer/takagi-kenji.html#namelawyer

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