メルマガ「人事労務の勘所」

2014.10.15

第12回 過去の就業規則違反はどこまで遡って問えるか。

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『今月の法律豆知識』
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【 Q 】 
過去の就業規則違反はどこまで遡って問えるか。
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【 状況 】
従業員が7年前に起こした暴行事件について懲戒処分をしたいのですが、
処分を行うことは可能でしょうか。
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【 A 】
暴行事件の程度にもよりますが、7年前の行為に対して
懲戒処分を行うことは、特段の事情の無い限りは、
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものと言えないとして
無効とされる可能性が高いといえます。
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【 解説 】
懲戒権の行使については、懲戒事由の存在が認められる場合であっても、
使用者の懲戒権の行使が客観的に合理的な理由を欠き、
または社会通念上相当として認められない場合には無効となります。

懲戒処分には時効制度の適用がないため、
原則としては、いかなる時期に懲戒権を行使するかは
使用者の自由に委ねられると考えられています。

しかし、懲戒処分の該当事由を会社が認識したにも関わらず、
これをいたずらに放置し、長期間経過して行われた懲戒処分は、
懲戒処分の合理的理由を欠き、社会通念上相当なものとはいえないとして、
懲戒権の濫用として無効と判断される可能性が高いといえます。

具体的には、
1、会社が長期間にわたって懲戒権の行使を留保する理由があったかどうか
2、従業員が懲戒処分をされることはないであろうとの期待を有していたか
3、長期間の経過により企業秩序が回復されたか
といった点を考慮して判断されることになります。

今回のケースの場合、暴行行為から処分までの期間が
7年間と時間的間隔が相当程度長いため、
暴行事件の程度や上記の事情を考慮して特段の事情がない限りは、
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものと言えないとして
無効とされる可能性が高いといえるでしょう。
(文責:パラリーガル 岩出 亮)

~ 次回、11月配信予告 ~
【 Q 】
採用した従業員の履歴書に嘘や、前科があることがわかったら?

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~ 執筆者コラム ~
ここ数年、中小企業の人事担当者の方々から、内定者に辞退される等、
採用活動に頭を悩ませているというお話を伺うことが多くなっております。

少子化の影響、団塊の世代の退職等の事情から売り手市場になり、
若年層の大手企業志向の強まりと共に、中小企業にとっては
人材の確保に頭を悩ませる状況になってきております。

このような状況下で大事なことは、人材の流出を阻止することであると
私は思います。そのためには、育成し、投資してきた人材、優秀な人材に
会社に残ってもらうための仕組みづくりが重要になってくるでしょう。
従業員を正当に評価する人事制度の構築やES向上の施策などは
中小企業にこそ必要であるといえるかもしれません。

パラリーガル 岩出 亮

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