法律Q&A

分類:

パートタイマーの就業規則

弁護士 村木 高志(ロア・ユナイテッド法律事務所)
2007.02

問題

当社では、正社員が10名、パートタイマーが6名働いていますが、現在、正社員用の就業規則のみを作成しています。この場合、パートタイマー用の就業規則を作成する必要があるのでしょうか?

回答

 正社員用の就業規則のみが作成され、パートタイマーに適用される規則がないという点については、労基法上違法となります。なお、全従業員に適用される就業規則を作成すれば、必ずしもパートタイマーにのみ適用される就業規則を作らなければいけないということではありませんが、正社員の就業規則について、パートタイマーへの適用を除外し、パートタイマー用の就業規則を作成することは差し支えありません。ただし、その場合には、別途除外規定や別規則への委任規定が必要となります。
解説
1 就業規則作成義務との関係
 いわゆるパートタイマー労働者も、労基法上の労働者にあたりますので、パートタイマーを含めて常時10人以上を雇用する事業所においては、就業規則の作成義務があります。つまり、従業員が正社員だけの場合、パートタイマーだけの場合、あるいはその両者が混在している場合のいずれの場合であっても、常時10人以上を雇用している事業所であれば、全員に適用される就業規則を作成する必要があります(労基法第98条)。したがって、設問の会社の場合、確かに正社員にのみ適用される就業規則は存在していますが、パートタイマーに適用される就業規則が存在していませんので、労基法第98条に違反しているということになります。
2 パートタイマー用の就業規則
 なお、従業員全員に適用される就業規則が存在すれば、とりあえず違法ではなくなります。しかし、正社員用の就業規則をそのままパートタイマーにも適用するという扱いをすると、パートタイマーから、正社員の就業規則に基づいて、正社員と同じような年休や退職金を求められる可能性があります。そのため、会社としては、正社員の就業規則をパートタイマーに適用できない事情がある場合には、就業規則に特別条項を設けるか、別規定を作成することになります。この点について、厚生労働省は、正社員の就業規則の適用範囲について、パートなど正社員と労働条件の異なった従業員についてその適用を除外することは差し支えないが、この場合、就業規則の本則において、別個の規則の適用対象労働者に関する適用除外規定や別規定への委任規定が必要としています(昭和63・3・14基収150号)。したがって、この通達にしたがって、パートタイマーに関する適用除外規定や別規則を設けておくことで、上記のような問題点を避けることができます。
3 注意点
 なお、適用除外規定のみがあり、それに関する別規定が存在しない場合には、就業規則作成義務違反ということになってしまいますので、注意が必要です。

 また、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」において、「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更するときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。」(同法第7条)と規定されていますので、パートタイマーに適用される就業規則を作成する際には、パートタイマーの代表者の意見を聴くことが望ましいといえます。

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