法律Q&A

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法定休暇と法定外休暇の違いは何か?(P4-15)

(1)法定休暇と法定外休暇とは
 法定休暇とは、労基法所定の要件を満たすことにより当然に労働者に認められる年次有給休暇のことを指し、その取得手続・要件・取得日数(P4-16参照)、2年間の存続期間(同115条)、使用者の時季変更権(P4-18参照)、労使協定による計画年休制度(同39条5項)、年休取得時に支払われる賃金額(同条6項)、年休権発生要件たる出勤率算定上の産休等の出勤扱い(同条7項)、年休取得への不利益取扱禁止(同附則134条)等につき定められています。
これに対して、法定外休暇とは、各企業が独自に法律の規制を超えた優遇措置として労働者に付与している休暇で、例えば、いわゆる慶弔休暇や夏季・冬季休暇等の特別休暇の他、年休日数を労基法の定めより多くしている場合や年休の法定繰越期間を超えている場合の法定年休日数を超える部分等がこれに当たります。
(2)法定外年休の取扱
 企業は、法外年休に関しては、法定年休のような取得要件(採用直後から付与、出勤率に拘わらず付与・加算等)・日数・繰越期間(1年に限る等)・取得手続(1箇月前の承認制等)・時季変更権(前述の承認制と関係し大幅な変更権を持つ等)、年休取得時の支給額(通常の所定内時間労働の賃金の半額や無給休暇も当然あり得ます)等全ての面で、独自の制度を創設できます。例えば、年休の前借り分が法定外年休であれば、前借りを認め、その分を翌年の法定外年休から控除することは契約自由の範囲内のことであり適法です(後述P4-19参照)。
(3)明確な区分なき場合の法定年休規定の適用
 しかし、慶弔休暇等の特別休暇の場合はその性質上の制限がありますが(忌引等)、それら以外の法定日数を超える法定外年休については、特別の法定内外の区分をしていない場合には、法定年休に関する労基法の規制や就業規則の定めや解釈が法定外年休にも適用される可能性が高いと考えて良いでしょう。

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